「零戦クロック」
台湾製の「ゼロファイター・クロック」という目覚まし時計をご存じでしょうか?モーターライズ全盛期のプラモに通ずる楽しさがあるのでご紹介します。
日本の知り合いが送ってくれたのですが1/32クラスの零戦が水平儀を模した時計付スタンドに載っており〜タイマーをセットするとリアリスティックな爆音と機銃音で飛び起きる〜と言う目覚まし時計です。〜寝耳に水の真珠湾攻撃か?^^)まさかこれが理由ではないでしょうが、アメリカでは見たことがありません。
このエンジン始動のシークエンスがなかなか凝っていて、まずバスン、バスン、バスン〜と3回ほど不発がありその後やっとエンジンがかかります。その間セル・モーター^^)の音もすれば、パイロットの"Turning!"という声も聞こえます。かかったエンジンも最初は低回転ですが回転数が上がると爆音も高くなり、それに機銃音が重なってきます。機銃も翼内に仕込まれた赤いLEDが点滅するという懲りようです。 モノグラムの透明ムスタングを知っている世代にはアピールするのでは?..
これと似たBー17のクロックはこちらでも見かけたことがあります。他にどの飛行機が出ているのかは知りませんが、(Pー40フライングタイガーとPー51マスタングは確実?)この零戦のアクション・ギミックはたぶん他の機種にも共通でしょう。セル・モーターはまだいいのですが(セルのついた零戦はプレーンズ・オブ・フェイムの52型ぐらいですネ)せめてパイロットのかけ声は日米共通の"Contact!"にして欲しかったところです。"Turning!"ってのは、ないですよね〜。^^)
アメリカ市場をターゲットに作られた商品であるのは間違いないのですが、箱には米軍に捕獲された零戦そのままにダークブルーに星マークの零戦が印刷されています。箱から出てきたのは緑色のABS樹脂製零戦で日の丸等マーキングはステッカー(シール)で再現してありました。丁寧に〜箱の写真と中味の仕様が異なること〜を詫びるしおりが出てきましたが急遽日本国内向けに変更されたのでしょうね。〜アメリカ市場に媚びて零戦捕獲機にしたばっかりにアメリカでも注文がとれなかった〜というのが現実でしょう。以前、長谷川がデカル替えで出した星マークの1/48零戦捕獲機仕様もこちらでよく在庫処分のセールになってましたっけ。
最初透明の風防に枠が塗装されていなことからせめて枠とパイロットだけでも塗ってやろう〜と思ったのですがステッカーのマーキングも興ざめなので結局全体も塗装することにしました。
この零戦には主翼の20mmと13mm機銃がついており一応52型丙をモデルにしているようですが、主翼もエルロンも長く、単排気管もオミットしてあるので22型の印象...、ちょうどアンテナ支柱もオミットしてあるので台南空の22型にしてやろうと機銃を外し、あの有名な写真の機体〜グレイに応急迷彩の台南空(251空 )UI-105 号機に塗る事にしました。機銃点滅のLEDは機銃のとなり主翼前縁の穴に埋め込まれているので、機銃を抜いた後LEDをその穴に移動させます。
一番上の写真はすでに主翼の機銃と小型爆弾を外していますがオリジナル状態です。カウリング、パイロット、増槽、プロペラ&スピナー、主脚等が黒のソフト・プラスチックで作られています。塗装にはグンゼのMr.カラーを使いましたが樹脂製の本体はシンナーに弱いのでサっと塗ります。むしろ塗料の食いつきがイイので一旦塗料で全体をカバーすれば後は問題なく、エアブラシの蛇行迷彩をわざと筆のボカシでやったりして結構楽しめました。
写真中、尾翼マーキングの「UI-」は赤で書かれている〜あるいは写真に修正が加えられた〜との解説もありましたが、写真はもともとグレイ地に黒で書かれたUI-105を応急迷彩でオーバー・スプレーした後「105」だけ白で書き直された状態です。この写真は昭和17年10月11日に日映カメラマン、吉田一氏がラバウルよりガダルカナル島攻撃に向かう零戦隊を同行の一式陸攻より捉えたものです。このUI-105 号機には日本海軍のトップ・スコア・エース西沢飛曹長も搭乗したと言われますが、撮影時には飛行隊長中島少佐が搭乗していた可能性が大のようです。
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