モーターライズ模型のリバイバル
私の住むベイエリアにあるサンフランシスコのゴールデンゲイト、オ-クランド・ベイブリッジを含む4つの橋がテロリストに狙われているという有力情報から、カリフォルニア州知事が一週間の警戒体制を発表しました。と言ってもどう警戒するのか..? 世間はやや暗いご時勢になって来ましたが、こんな時こそ明るく元気で行きたいですね。
タミヤ、ハセガワの1/48モーターライズ飛行機の発売を見ても、日本では確実にモータライズ模型がリバイバルしつつあるようですね。すでに日本ではラジコン戦車のブームがあり、多くの完成キットがさまざまなスケールで発売されています。
日本のモデラーの方は意外に思われるようですが、アメリカではこれらモータライズ、プラモはあまり人気がなく、過去に発売になったラジコンを含む大小のリモコン戦車はほとんど正規には輸入されていません。最近発売になったタミヤ、ハセガワの1/48モータライズ飛行機は一応こちらの模型店にも入って来ますが、あまり売れ行きは良くないようです。モデルとして質の低いラジコン戦車、自動車などは、こちらでもおもちゃ屋で売られているのですが、これは別のマーケットで、ラジコン戦車にタミヤ製品のようなスケールモデルとしての質を求める消費者層はこちらにはないようです。新作タミヤのラジコン1/16タイガーI 型はこちらでも鳴り物入りで(1000ドル以上)発売になりましたが高価なおもちゃとしてモデラー以外の人達に買われているようです。
私も昭和30年代生まれのギミック大好き世代なので、日本のオークションで1/35 RCタイガー戦車を見つけ入手しましたが、タミヤのプロボ付き1/35 RC シリーズは(M1エイブラムスですら)こちらには入っておらずその存在に今まで気が付きませんでした。考えるに、この日本とアメリカの違いはたぶん時間差なんでしょうね。第一次モータライズブームはアメリカのほうが早く、1950年代からリンドバーグ、ITC、パイロなどのメーカーが盛んにモターライズキットを出し、あのモノグラムファントムPー51D (1961!)で頂点に登り詰めてしまいました。日本でモータライズキットのブームが始まったのは1960年代に入ってから。 この時すでにアメリカではモータライズキットの人気は下火になり、モノグラムも1/48シリーズで思いきった可動パーツの廃止を計っていた頃ですから、日米間でほぼ10〜20年の時差があるのではないでしょうか。現在、韓国、中国でモータライズキットが盛んに作られているのもこれに似た時差現象でしょう。
クラブでも以前は、かなり高齢の方(ハッキリ言ってオジイサン)が昔完成させたITC B-29 (このギミックがスゴイ!)の完成モータライズキットを持って来て若い世代にデモンストレーションしてましたが、若い世代にはプラモの歴史としてしか興味を示さなかったようです。そういうオジイサンもミーティングに来なくなりました。私たちと同じようにモータライズギミックの好きなアメリカ世代は残念ながら高齢に達していまったと言う訳です。
食玩メーカーの1/144 戦車が日本の雑誌で紹介されているのを見ました。お菓子のオマケにしてはほんと良くできていますね。透明キットやモータライズのリバイバル、RC戦車ブームしかり、日本のおもちゃ文化の多様性と幅の広さには感心します。マーケットがサチュレイトしているのも事実でしょうが、それにも負けず企業の需要開拓精神は旺盛ですね。こちらのモデラーに雑誌の写真など見せて説明すると皆、一様に感心して欲しそうな顔をします。
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