「二式大艇のカラームビー」
オハイオ在住のコレクター氏よりビデオテープが送られてきました。日本機ファンでもある彼と電話で話した際に〜戦時中の二式大艇のカラー映像をテLビから録画した!と言うので、こちらから是非と、頼み込んで送って貰ったのです。パッケージを開けるのももどかしくさっそくテープをプレイして見ると...写っている....カラームービーに二式大艇が写っているではないですか!!(ほとんどネッシーかサスカッチのノリ^_^;)
ほんの10数位なのですが、終戦時の内地の水上基地でしょう。16mmのカラームービーでカメラは陸に上がった10機以上の大艇を写し出しています。午後の日差しに照らし出された二式大艇の黄色い味方識別帯が鮮やかです。カメラはゆっくりと右にパンしていきランプから右手に広がる海を見下ろします。海上にも一機、二式大艇が係留されています。ボートが一隻岸に向かって来ます。海の向こうに続く白い岩肌の断崖から最初、横浜水上基地かとも思ったのですが、終戦時、関東に二式大艇は一機もいなかったそうですから、関西のどこかということになります。残念ながらテイルコードのナンバー等一切見えません。
繰り返しさらによく見ると、カメラに近い機体は二式大艇の輸送型「晴空」であることもわかりますし所狭しと並べられた機体には白装束に緑十字の九七大艇や二式練習飛行艇らしきものも混ざっていて、このムービーが進駐した米軍によって撮影されたことが分かります。 細かいところでは、二式大艇の一機が、他機からのものか、茶と濃緑色の2種のスピナを付けているのも確認でき、以前から言われていたスピナの色に茶と緑の2種があることに確証が得られました。この2色、白黒写真では同じ色のように写るのと、カラー写真に写った濃緑色のスピナがいままでなく疑問視する向きもあったのです。つい最近モデルアート別冊「雷電」誌上で初めて濃緑色のスピナをつけた雷電のカラー写真が発表されたばかりですが、これで同じ川西製の「紫電」、「紫電改」のスピナにも2種があったことはほぼ間違いないでしょう。
こんな、映像がまだ残っているという事実に驚くと同時に、まだまだ出て来る可能性もあると期待を繋いでしまうのでした。
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