「345th エアーアパッチ」

最近読んでいる本の話しを少し。今”Warpath Across The Pacific”というBー25ガンシップで有名なのエアーアパッチ345th Bomber Groupについての本を読んでいます。ラバウルからフィピン、沖縄、九州、そして終戦までの3年間の行動、戦果の記録がほぼ2週間きざみで実に細かく記録されていて圧巻です。また低空爆撃と低空の写真偵察を専門としたために多くの写真が撮られ、攻撃をうける日本の前線基地や輸送船などが鮮明に写し出され圧倒されます。その点でも他にはない貴重な資料ではないでしょうか。450ページ近い本でこの手の本に手を出したことがなかったのですが、薦められて読んでみると確かに航空雑誌などとは異なる文調で克明に「戦争」が記録されていています。華々しい戦闘機の空戦記録はなく、漂流している生存者を機銃掃射するための出撃がためらいもなく記録されていますし、日本軍による不時着した米塔乗員の斬首なども事務的に記録されています。一般に勝ち戦のイメージが強い米軍の記録ですが、対空砲火による大量の犠牲が毎日出ていた事実、決して速くないBー25での低空爆撃がどんなに危険だったかなど、私のなかの太平洋戦争のイメージもすこし変ったような気がします。
5/18

●目次に戻る


              ●ご案内のページへ戻る